新谷武史先生

 

 

 

 

 

 

今回はPESCJ7期認定医の新谷武史先生を紹介させていただきます。 

略歴

略歴:2003年       明海大学歯学部卒業

         2003年       東京医科歯科大学歯学部摂食機能評価学 入局

         2005年       都内開業医勤務

         2009年       高崎市にてしんがい歯科医院開院

         2016年       ペンエンドスタディクラブインジャパン修了

         2017年       ペンエンドスタディクラブインジャパン認定医

聞き手:ECJ事務局

医院情報

しんがい歯科医院

診療時間:9:00~13:00 14:30~18:30
休診日:水または金(隔週で)、日、祝日

〒370-0075

群馬県高崎市筑縄町20-5

電話:027-386-6480(電話受付8:30~18:30)

ホームページ:http://www.shingai-shika.jp/

・先生は勤務医時代は都内に勤務されていらっしゃいますが、現在のクリニックの場所は群馬の高崎市ですよね。なぜそこを選んだのですか?

群馬が出身地という事と、出身高校が高崎にありました。また、新幹線の駅や高速道路のインターチェンジもあり、交通の便も良いですし人口も多い場所だからです。新幹線では東京駅から50分なので、都内へのアクセスも良く、通勤圏といえます。

・高崎市ってどういうところですか?軽井沢や長野に行く時の新幹線の停車駅、というの知っていましたが、それ以外はあまりわからないので、よかったら高崎市の良いところを聞かせてください。

高校を出てからは群馬を離れていたので、17年ぶりに地元に戻ってきて感じたことは、周囲に赤城、榛名、妙義の上毛三山と浅間山がみられ景色が綺麗なところだったのだな、と感じました。高崎に限らず群馬県は完全に車社会なので、駅前に限らず広く土地を使った商業施設があり、ゆったりとした雰囲気に感じます

名産は下仁田ネギやこんにゃくなどを始め、小麦の生産量が多いせいか、パスタ屋さんが非常に多く美味しいと思います。また草津、伊香保などを始めとする温泉が有名ですが、最近では世界遺産になった富岡製糸場や関連遺産なども見どころかと思います。

・新谷先生のクリニックを受診したい時はどのように予約を取ればよいでしょうか?また、歯内療法の治療のみをお願いし、他の治療はいつものかかりつけで引き続き受診することも可能ですか?

電話やホームページの予約フォームから初診の申し込みができます。当院で歯内療法の治療のみ受診することももちろん可能です。かかりつけの先生からのご紹介という形で来院される方も多くいらっしゃり、皆さん歯内療法後の被せ物の治療、メインテナンスは紹介元の医院様で引き続きお受けいただいています。

・次に先生の歯科医としてのキャリア、道のりなどを聞かせてもらえますか?

歯科医師になって最初に興味を持ち取り組んだことは、補綴(義歯)についてです。なぜ補綴学に興味がわいたかというと、口腔内全体を考えて治療することが大切と感じたためです。並行して都内開業医のもとで一般臨床も経験を積み、地元の群馬県で開業しました。開業してからも常に技術や知識の向上を意識し、勉強会は毎年積極的に多くの分野について参加しました。その後、藤本研修会歯内療法コース、ペンエンドを受講し、現在は歯内療法分野に特化した診療をしております。 

 

 

 

 

 

 

・歯科のいろいろな分野を真剣にお勉強されていたのですね、そんな新谷先生が歯内療法を専門としようと決意されたのはなぜでしょうか?また、ペンエンドで勉強しようと思ったきっかけは?

歯科の勉強すればするほど、どうしても歯科医師である自分1人の力では満足な結果が得られない事もある事を感じるようになりました。

どういうことかというと、義歯や被せ物の制作は、歯科医がどんなに精密に型取りをしても技工士さんの技術によって結果が大きく左右されますし、歯周病の治療では、患者さんご自身の協力なしには良い治療結果が達成しにくいです。

その点歯内療法は、術者の治療体制や技術や意思決定などがしっかりしていると、治療成績が良くなることを知り、興味を持つようになりました。

始めにそのコンセプトを教えてもらった勉強会が、石井宏先生が講師をされている藤本研修会の歯内療法コースでした。 

そこで1年で学んだことは、自分にとって非常に衝撃的で『もっと深く歯内療法について学びたい』と強く感じるようになり、覚悟を決めて国内ではもっとも厳しいであろうペンエンドで学ぶことを希望しました。 

 

 

 

 

 

 

・ペンエンドを受ける前と後で変わったことはありますか?

歯内療法に限らず何か知りたいことがあった時の対応に特に変化がありました。以前は高名な先生が言っていることを、鵜呑みにしていましたが、今では論文や参考書などを比較検討して自分なりに咀嚼して知識を得るようにしています。

また、診療時間を90分~120分程度確保し、じっくり1人の患者さんを治療するようになりました。

・なるほど、ペンエンド受講後は時間をかけた治療を日々実践されていらっしゃるのですね。患者さんに対して心がけていること、治療に対してのこだわりはありますか? 

治療の説明については写真や動画なども使い、患者さんに理解してもらえるように心がけております。簡単に言うと『自分が受けたい治療を全力で提供したい』と日々考えております。

・お仕事でやりがいを感じる時はどういうときでしょう?

痛みや不安を持った患者さんが、治療が進むにつれて、治療の結果だけでなく、心も通じ合うようになったりすると、とてもやりがいを感じます。

・逆に難しいと感じる時はありますか?

歯科治療はいつも難しいと感じています。自分のベストを尽くしても満足のいく結果が出ないこともありますので、そういう時は特に難しく感じます。 

 

 

 

 

 

 

・印象に残っている患者さんの治療はありますか?

当院に来院された初診時に、デンタルエックス線写真で根尖部に大きな吸収像が見られた患者さんです。

まず基本的に歯冠部からのアプローチで細菌減少と根尖部の封鎖を試みますので、通常の根管治療をおこないました。しかし、根尖部が大きく吸収しており、十分に形成、洗浄を行うことができませんでした。下がそのレントゲンになります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(初診時)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(根管治療終了時)

その後臨床症状や根尖部の腫脹の改善が見られないため、外科的歯内療法に踏みきりました。吸収し感染している根尖部を切断し、MTAにて逆根管充填を行いました。左が術直後で、右が術後2年経過時のレントゲンです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(歯根端切除術直後)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(歯根端切除術後2年経過時)

ペンエンドを受講する前の自分では、抜歯の1択でしたが、治療を行うことで、2年経った今でも機能し、患者さんも非常に満足されております。抜歯する前にやれることがあればしっかり患者さんに選択肢を提示することが大事だと感じた症例でした。

・今後の展望をお聞かせください

高崎市の歯科医院がラバーダムを始めとする無菌的処置を行う医院がどんどん増え、根尖性歯周炎で抜歯になる患者さんを限りなく少なくする事ができるように、情報発信と自分自身の研鑽を積んでいくつもりです。

ありがとうございました。