髙橋玄先生

ペンエンド認定医 髙橋 玄先生(PESCJ第6期)を紹介させていただきます。

       2007年 奥羽大学歯学部卒業

       2015年 ペンエンドスタディクライブインジャパン終了

       2016年 ペンエンドスタディクラブインジャパン認定医

       2017年 愛知県名古屋市にて開業

<聞き手:ECJ事務局>

<医院データ>

髙橋歯科

愛知県名古屋市中区錦2丁目16-21GS伏見センタービル3F 052-202-3017

診療時間
10:00~13:00
14:00~18:30

▲17:00まで

休診日:日曜・祝日・月曜・水曜

https://www.aichi-endodontist.com

 

 

 

 

 

 

・ご開業おめでとうございます。具体的にはどのような場所で開業されたのですか?

 愛知県名古屋市で開業しました。名古屋駅から地下鉄で1つ目の駅の伏見駅を出てすぐの場所です。

・名古屋での開業ということですが、ご出身も東海地方なのですか?

はい。

出身は、岐阜県の郡上八幡という盆踊りが有名な田舎町です。

・ご実家は歯科医院ですか?

 はいそうです。

・ご実家の歯科医院を継承する、ということは考えなかったのですか?

 全くなかったです。歯科医師になるように言われたこともありません。進路を決める際、父親が歯科医師であったのもあり、医療系に進もうとは考えていました。

・お父様が歯科医師であったのであれば、歯内療法専門医院という専門医院へのご理解などはどうでしたか?

 正直、最初はあまりなかったと思います。時代が違うので仕方ないですが。今も心配していると思います。

・今回、歯内療法専門医院を開業されたわけですが、大学時代から歯内療法にご興味があったのですか?

 大学時代は、歯内療法より口腔外科・麻酔科に興味を持っていましたし、卒後、2年は口腔外科・麻酔科を学んでいました。一般歯科治療は、卒後3年目から始め、その中でも歯内療法は、治療中痛い、痛みがとれないなど経験し、特に苦手な分野でした。

・どのようなきっかけで歯内療法に興味を持ったのですか?

 苦手な分野だったので、商業誌を購入し自分で勉強していたのですが、解決には至りませんでした。

 そこで石井宏先生のセミナーを知り、参加してみる事にしました。2日コースで今まで聞いたことない話や、膨大な情報量で処理できませんでしたが、歯内療法を適切な環境、コンセプトを守って行えばかなりの確率でマネージメントできる。という事がわかりました。

 たまたま、勤務していた歯科医院にラバーがあったので、次の日から必ず隔壁、ラバーダムをする様にしました。

 それしか出来ること無かったので続けてみたのですが、痛い、仮封が取れたなどの急患が少しずつへり、良い効果がでたのを実感しました。

勿論、ラバーダムだけでは解決出来ない問題も多く、どのようにして解決しているんだろうと興味が出てきました。

 

 

 

 

 

 

 

 

・生物学的なコンセプトを守ることによって今まで抱えていた問題が減った反面、難治化してしまっているような問題が浮き彫りになった、ということでしょうか?

 そうですね。拡大、洗浄などどうすればいいんだろう?と次の疑問点が出てきました

・次の疑問点を解決するのに、どのように次のステップを進んだのですか?

 石井宏先生の実習セミナーや年間コースを受講しながら、解決する為の知識、抜去歯での練習方法を学び、勤務先に持ち帰っては抜去歯で練習、臨床で実践を繰り返していました。

・かなり専門的なトレーニングを続けてこられていたようですが、問題解決はできるようになりましたか?

 歯内療法に関する問題は、かなり解決出来る様になってきたと実感しております。

・満を辞しての開業ですね。名古屋で歯内療法専門医院を開業しようと思ったのはなぜですか?

 東海地方には、歯内療法のみで開業している歯科医院はなく、人口も多いので、東海の中心である名古屋で開業をしました。

・歯内療法専門医院とは一般の歯科医院と何が違うのですか?

 一般の歯科医院は虫歯、歯周病、根の治療、入れ歯、銀歯や白い歯を入れたり、メインテナンスを行う医院が多いです。いわゆる患者さんの困っている事の解決策を全て提供するスタイルです。

 歯内療法は、一般の歯科医院でも日常的に行われている治療です。ご存知の通り日本の医療では保険制度があり、国から一定の治療費用が設定されています。その範囲内で、理想的な根管治療を行う事は、経済的・時間的に無理が生じます。以前、私も保険診療で治療していましたのでよく理解しています。歯内療法専門医院ではその垣根を越えて、治療する事ができます。また、歯内療法に特化しているため、歯内療法に精通した知識・技術を常にアップデートしています。その結果、歯内療法領域の病気ができるのを防いだり、治す可能性が高いと感じております。

 歯内療法専門医院では、いわゆる”根の治療”をはじめとした歯の内部に関わる領域の解決策を専門的に提供します。医科で例えると耳鼻科、脳神経外科などに分野が分かれているのと同じです。そのことにより、難治化してしまった症例、具体的には痛い、腫れている、抜歯と言われたなどの患者さんに質の高い治療を提供し、その状態を維持することにより多くの患者さんに提供できるメリットがあります。

・なぜ根の治療に特化した病院をやろうと思われたのですか?

 5年ほど前に石井宏先生の講演を聞いて、根の治療に特化した歯科医師がいることを初めて知りました。最初は苦手な根の治療の解決策を求めて受講したのですが、教わった事を少しずつ実践していくうちに、治せる症例も増えてきて患者さんに喜んでもらえるようになり、歯内療法の奥深さ、そしてやりがいを感じるようになりました。その頃から根の治療のみを提供する歯科医師になりたいと朧げに思い描くようになりました。勤務していた歯科医院では3年ほど前から根の治療に特化した診療を行っていました。

・先生に治療もしくはセカンドオピニオンをお願いしたい場合はどのようにすればよいですか?

 基本的にはかかりつけの歯科医院からの紹介により治療を行います。しかし、なかなか担当の先生に言いにくい場合や、かかりつけの歯科医院がない場合はメールや電話でも予約を受け入れています。お気軽にご相談ください。

・印象に残っている症例をご紹介いただけますか?

3年ほど前に来院された患者さんなのですが、前歯の歯茎が腫れて、歯科医院で診察してもらったところ、「根の先の病気が大きいので抜歯をしましょう」と説明を受け、どうにかなりませんか?との相談を受けました。

 診査を行ったところ、コンセプトに則った治療であればマネジメントできる可能性があると診断し、治療法の選択肢を説明して、患者さんに治療することを選択してもらい、治療を開始いたしました。

 

 

 

 

 

 

 

 

<経過観察時:再び腫脹がみられた>

 通常の根管治療を行い、経過観察を行なっていたのですが、再び腫れてしまい痛みも出てきましたので、外科的歯内療法の適応と判断し外科的歯内療法を行いました。

 

 

 

 

 

 

 

 

<外科的歯内療法直後:症状は消失している>

 抜糸時にはほぼ症状も消失し、傷跡も綺麗になったのを覚えています。

 

 

 

 

 

 

 

 

<6ヶ月後:透過像の縮小がみられる>

 この時点ではまだ根の先に透過像は見られますが術前と比較して縮小していることが確認できました。症状もなく非常に良好な経過を辿っています。

 

 

 

 

 

 

 

 

<1年半後:かつて病気だった部分に骨の再生がみられる>

 この時点になるとほぼ根の先の透過像もなくなっているように見えました。

 

 

 

 

 

 

 

 

<2年経過時:治癒が確認できる>

 2年後、透過像の消失も確認でき、歯を抜かなくて済んだことをとても喜んでいただいております。治癒を確認するまでは時間かかりましたが、今まで学んできたコンセプトを守った治療を行えば根の先の病気は治癒することを実感した症例です。

・必要以上に回数を重ねることなく的確な介入で治癒まで導いた素晴らしい症例ですね。髙橋歯科でも多くの患者さんを救っていただけるものだと思います。今後ともよろしくお願い致します。本日はありがとうございました。

ありがとうございました。