歯牙破折の分類・診査・診断・マネージメント

歯牙破折を理解しマネージメント能力を向上させるチェサイド必携の書

PESCJ(ペンエンドスタディクラブインジャパン)主催 石井 宏先生が監修し、PESCJ講師、PESCJ認定医が執筆したバイブルとも言えるテキストブックを紹介いたします。

歯牙破折の分類・診査・診断・マネージメント世界の標準的なガイドラインと歯内療法専門医の臨床から学ぶ

<著者略歴>
石井 宏【いしいひろし】
1993年 神奈川歯科大学卒業
1996年 東京都板橋区にて開業
2006年 ペンシルバニア大学大学院歯内療法学科卒業
2007年 東京都港区にて歯内療法専門医院開設
ペンシルバニア大学歯学部歯内療法学科非常勤講師
神奈川歯科大学非常勤講師
Penn Endo Study Club in Japan主宰
石井歯内療法研修会主宰
日本歯内療法学会専門医
米国歯内療法学会スペシャリストメンバー
石井歯科医院

総頁数:148頁 / カラー   判型:A4判   発行年月:2015年6月

<本の構成>

第1章 世界基準のガイドラインと日本の現状を歯内療法学的観点から比較・考察する
第2章 垂直性歯牙破折
第3章 水平性歯牙破折
第4章 症例集

<対象>

研修医、一般開業医、日常臨床で歯内療法に携わる全ての歯科医師

<みどころ>

臨床現場で、歯牙破折、クラックに遭遇することは少なくない。その際に、どのように診査・診断し、マネージメントするのか?また、予後はいいのか?などの疑問を持っている診療されている先生方も多いのではないだろうか?本書では、AAE(アメリカ歯内療法学会)のガイドラインが示す定義・分類法に基づき、実際の症例を踏まえ、第2章では垂直性歯根破折をさらに細かく5つに分類、第3章では水平性歯牙破折を4つに分類し、破折パターンによる特徴・診査の方法・治療法・予後・予防方法を紹介している。また、破折歯に対する臨床における意思決定を助けるフローチャートも掲載されている。歯牙破折に対する理解、マネージメント能力を向上させる1冊となっている。

<著者からのコメント>

このテキストは、日本の臨床家向けに構成した。日本では破折に対する考えや、マネージメント法をまとめて学習する機会を得ることは難しい。たまに遭遇する歯牙破折に関わるセミナーも基本や原則を学ぶものでなく、一部の臨床家や研究者、大学関係者の強いバイアスのかかった内容であり、一般的な患者のための、健全な意思決定を助けるものにはなっていないと感じている。もちろん、それでも一部の患者の利益にはなり得ているのも事実であろうが、術者側はまず基本的な知識の整理を行うべきであり、本書はそのために活用できる良書であると確信している。(著者:石井宏先生)

歯牙破折といっても、歯冠破折なのか、歯根破折なのか、垂直性なのか、水平性なのか、またそれぞれの病態の原因、治療法、そして予後も様々でとても混乱の多い分野です。 本書は歯牙破折というくくりで執筆されているため、これら破折について全体像を学ぶにはうってつけの本であり、それぞれの病態についても詳しく掘り下げて執筆しているため理解を深める助けになると思います。また、3章の水平性歯牙破折は外傷が主な原因となることが多く、日常臨床で遭遇することはそう多くないと思います。そのため、対応に時間を争う水平性歯牙破折の急患が来院した場合、とっさに対応方法を思い出せない場合この本が大きな助けになると思います。(執筆者:李光純先生)

「割れた歯を残したい」という気持ちは、患者も歯科医師も同じである。また、一言に「割れた歯」と言っても、破折には様々な種類があり、予知性の高い治療を提供しうるものから、そうとは言えないものも存在する。患者利益を考えた場合、我々臨床家は『どんな状態でも割れた歯を残す先生』を目指すのではなく、破折にはどのような種類があり、それぞれどのようなアプローチが可能か、またその予知性はどれぐらいかをまず把握すべきである。本書は、米国歯内療法学会のガイドラインを基に、歯牙破折について体系的にまとめられており、歯牙破折に遭遇した際に手元に置いておきたい一冊である。(執筆者:清水花織先生)