今回はPESCJ認定医の先生方の協力の元、ECJが推奨する「ルールに則った根の治療」はどのようものかアンケートに基づき情報提供させて頂きたいと思います。

アンケートの項目は次の通りです。

①カウンセリングは行っていますか?
②初診の日に治療は行いますか?
③治療にかかる時間と回数はどのようですか?
④ラバーダムを使用していますか?
⑤根管洗浄に使用する薬液は何を使用していますか?
⑥使用しているニッケルチタンファイルの商品名を教えてください。
⑦洗浄針オープンエンドですか?クローズエンドですか?
⑧最近、心に残った症例を教えてください。

結果は以下の通りです。(有効回答数12)

①カウンセリングを行っていますか?

名称未設定

予想通りではありますが、全ての認定医にてカウンセリングを行っております。

時間と費用は医院によってまちまち(時間は30分~60分、費用は0~10800円)ですので、受診する予定の歯科医院にお問い合わせください。

②初診の日に治療は行いますか?

名称未設定 2

基本的には初診の日は診査診断を行い必要な治療方法と代替の治療方法、その他の選択肢の提示に留まることが多いようです。きちんとした診査や説明は時間がかかる事から治療に着手する時間が取れない事が主な理由です。

また、いたずらに治療に手を付けて症状を増悪させることもあることから、しっかりと時間を確保して歯を残す可能性を出来る限り高めたいということも理由の一つです。

しかしながら痛みがひどい場合やご希望の有無により除痛の治療を行う事もありますので受信する歯科医院にお問い合わせください。

③治療にかかる時間と回数はどのようですか?

1回目90分で2回目に60分の2回が基本です。 1名
1回90分で1~3回です。 4名
1回60~90分で1~5回です。 1名
1回60~90分で1~3回です。 2名
1回60~90分で1~4回です。 2名
1回90分で2~3回です。 1名
1回90~150分で1~3回です。 1名

以上の結果となりました。

勿論、根の病気の状態により増減しますが、概ね1回が90分で回数が1~3回程度と理解して頂けましたらよろしいかと思います。

④ラバーダムを使用していますか?

名称未設定

全ての認定医が全ての患者様にラバーダム防湿を行っています。安心して治療を受けて頂く事が出来ると思います。治療の準備の段階(治療済みの修復物を外す、隔壁を作る等)では行わない(行えない)事もありますのでご理解下さい。

以下のアンケートは患者さん向け、というよりも一般開業日の先生方向けの内容です。

⑤根管洗浄に使用する薬液は何を使用していますか?

EDTA&次亜塩素酸ナトリウム8
EDTA&次亜塩素酸ナトリウム&CHX4

EDTAと次亜塩素酸ナトリウムの使用が基本です。少数派ながらCHX(クロルヘキシジン)を使用する認定医もおります。

⑥使用しているニッケルチタンファイルの商品名を教えてください。

RaCE
BioRaCe
ProFile
Endo Wave
Mtwo
Nex
Lightspeed LSX
Protaper
Protaper Next
Vortex Blue
K3

以上、バラエティに富む様々なロータリーファイルを使用しております。症例や術者により、使いやすい、もしくは使い慣れたロータリーファイルを使用している、とご理解ください。従いまして、どれが一番良いファイルか?というご質問はナンセンスですのでよろしくお願い致します。

⑦洗浄針はオープンエンドですか?クローズドエンドですか?

基本オープン 8名
クローズド 3名
ヒポクロクローズド、EDTAはオープン 1名

オープンを使用している認定医が若干多いですが、術者の好み、という所ではないでしょうか?オープンと答えた認定のほとんどが、「どちらも持っているがオープンを使用」とクローズドも持っているよ、という事を匂わせるのが興味深い所です。

⑧最近、心に残った症例を教えてください。

・先週、6歳の女の子のRevascがありました…

・以前治療させて頂き、検診にいらした方が、『治療してもらってから、咬んでも痛くなく食べられるようになったから、食欲も出て、太っちゃったよー。』って仰ってらっしゃった患者さんがいらっしゃいました。一緒に大笑いしてしまいました。確かに歯も良くなっていましたが、体格も立派になってらっしゃいました。

・2歯にまたがる大きな病変を再根管治療と外科的歯内療法にてマネージメントしたケース。経過も良く、骨がしっかり回復してきています。

・とくにないです。

・3カ所パーフォレーション症例

・外国の方の歯根は日本人と比べて長い…
・他院で半年近くほぼ毎週根管治療に通い、ずっと鈍い痛みに悩まされていた患者が、1回の根管治療で症状が改善した症例。

・とてつもないオーバーフィリングを外科で対応したケース

・少し前ですが、右下7番のクラス4(ほとんど抜歯した方が良い状態)の方で、「何が何でも抜きたくない」との事で「ダメ元」と同意して頂き治療した症例があります。パーフォレーション3カ所くらいで歯質もほとんど残っていないのですが、経過観察時には何とか維持されていてホッとしたというか、患者さんのことを忘れられない状況です。

・完全埋没歯の歯牙移植術です。

・1年間ずっと腫れていて、それを何件か他院でペリオフィールを入れてたり抗生剤を入れて経過を見ていた方が当院での一度のエンドで症状がなくなり感謝されたこと

・半年以上長く治療していて痛みが取れない患者さんが当院での治療を受けて1回で痛みが取れた症例

以上、自由回答ではございますが患者さんが深い悩みから開放されることが認定の心に残る、言い換えればルールに則った根の治療により患者さんの悩みが解消される事が我々の喜びの源になっているものと思います。まだまだ微力ではございますが皆様の根の病気の悩みから一人多くの方が開放されるよう日々研鑽を積んでまいりたいと思いますので今後ともよろしくお願い申し上げます。

定期的にアンケート集計を行っていく予定ですので、今後内容が変わるかも知れませんが、それもまた興味深いものと思われます。果たして10年後に使用する洗浄液は一体なんでしょうか?