第40回日本歯内療法学会学術大会において田尻康樹先生(大阪府大阪市開業)がポスター発表を行います。

テーマは「ラバーダム防湿を再考する」です。

日時:2019年6月15日(土)、16日(日)

場所:タワーホール船堀

<抄録>

歯内療法の目的は根尖性歯周炎の予防と治療であり、それを達成するために根管治療中にラバーダム防湿を行うことは、過去120年以上にわたり推奨されてきた。

根尖性歯周炎は細菌が原因であるという点を考慮すると、無菌的な処置環境を構築することは成功率の高い根管治療を達成するには必要不可欠である。ラバーダム防湿を行うことにより、根管内の消毒に必要な根管洗浄剤が口腔内へ漏洩することを防止し、根管治療用ファイルなどの異物の誤飲を防ぐことが出来る。またラバーダム防湿により、舌や頬粘膜・口唇を排除し処置中の視認性を高めることが可能となる。これらの利点は歯内療法の成功率とともに、根管治療の効率を著しく向上させることは周知の事実であろう。 しかし、残念なことにこれらの有益な利点があるにもかかわらず、多くの歯科医師が根管治療の際にラバーダム防湿を使用していないのが現実である。

ラバーダム防湿が使用されない理由として、ラバーダム防湿を行うのに時間がかかる・装着の困難さや材料のコスト・患者のラバーダム防湿に対する理解や容認が得れないという点があげられる。しかしながら、これらの大部分は、根拠のない議論に基づいている。近年、歯内療法分野でもCBCT・マイクロスコープ・ニッケルチタンロータリーファイル等の新しい器材や材料が注目され、より効率の良い診療が可能になったのは事実であるが、それら最新器具の使用だけで歯内療法において高い成功率が達成される訳ではない。真の患者利益を追求するために、今一度ラバーダム防湿について再考してみたい。