今までは担当医の先生が難症例だと診断されて紹介、という患者さんが多い印象ではありましたが、現在ではなかなか治らない患者さんが自らインターネット等で調べてその旨を担当医に相談し、歯内療法専門医に紹介、という流れも増えてきました。

 

A歯科医院に通院しているBさんはなかなか治らないということで当院へ転院されました。マイ
クロスコープを使用した歯内療法(根の治療)の認知度が上がって来ていることを肌で感じる瞬
間です。2年前では全くと言っていいほど少なくとも私の周りでは認知されていませんでした。

たしかに長期にわたる先の見えない治療は転院したくなるお気持ちは十分理解できますが、そ
れまでに予防や治療に関わって来た患者さんと今まで診察していた歯科医師との関係が一本の歯
の根の病気が治せないことだけで崩れてしまい、それまで関わって来た様々な口腔内の情報と歴
史と環境を把握している歯科医師、歯科医院から転院してしまうことは患者さんにとって、とて
ももったいないことだと思います。

ですから、できましたら主治医の先生にご相談されて歯内療法専門医に紹介、という形の方が
より患者さんのお口の健康にとって有益なことだと思っています。もちろん、歯内療法(根の治
療)が必要になった時点で難治化しないように歯内療法専門医に紹介して頂いた方がより成功率
の高い治療が受けられることと思います。

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知っておいて頂きたいことは、歯内療法(根の治療)はとても難しく専門性が高く、決して低
くない確率で難治化してしまうことがある、という事実です。また、難治性の歯内療法(根の治療)を歯内療法専門医で外科的歯内療法も含めた可能な限りの治療することにより、問題が解決
されることが多いようです。

長引く治療は時間的にも経済的にも損失になりますし、何より治療を繰り返すことにより歯が
削られ少なくなり治療がうまくいったとしても結果として歯が割れてしまったり、例え割れなかっ
たとしても症状が落ち着いても補綴(被せ物)が出来なくなってしまったり、と新たな問題もでて
くることに繋がります。

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一本の歯の治療だけで悪循環が起こるきっかけになりかねませんので、そうなる前に歯内療法専門医に紹介することが定着していくと患者さんの口腔内の健康にとってどれだけの幸せか計り知れません。ただ、現時点では残念ながら我々のコンセプトに則った歯内療法の環境を整えている歯科医院の数は非常に少なく治療を受けられない方もいらっしゃるかもしれませんが、もし通院できる可能性があれば主治医の先生に相談されてみてはいかがでしょうか?徐々に歯内療法(根の治療)は歯内療法専門医へ、という認識の患者さんは増えてきており、決して特別なものではなくなった今、選択肢としてそういうものがあるんだ、ということは知っておいて頂きたいと思います。

ご興味があるようでしたらコラム「根管治療に半年かかっている」も合わせてお読み頂くと理解が深まることと思われます。

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根の治療のお悩みが早く解決されることをお祈り致します。

執筆者 高橋 宏征 (PESCJ3期)