歯の割れた範囲や場所、程度によっては、抜歯せずに歯を残せる治療方法を選択できる場合があります。

歯は毎日、食事やスポーツ時の食いしばり、歯ぎしりなど様々な力を受けています。そうした力で歯が割れてしまうことがあります。 また、知らず知らずのうちにむし歯が進行し、突然割れることで歯が大きくかけてしまうこともあります。

表面のエナメル質と言われる部分にとどまる程度であればそれほど大きな問題にはなりませんが、エナメル質の下の象牙質まで達すると、咬んだ時に瞬間的な痛みを感じたり、冷たいものや温かいもの、甘いものなどでしみたりするようになります。 放っておくと何もしなくても痛くなってしまったり、稀ではありますが、神経が壊死して膿んでしまうこともあります。

いずれにせよ、歯が割れていることを患者さん自身で気がつくことはほとんどありません。

そして、この歯の割れた範囲や場所、程度によって歯を残せるのか、抜歯しなければならないのかが決まってきます。

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1.ひびが歯ぐきとの境目よりも上にある場合

→多くの場合歯を残すことができると思います。

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2.歯冠部の一部が欠けた場合

→多くの場合歯を残すことができると思います。

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3.ひびが歯ぐきの少し下まで及ぶ場合

→矯正治療や外科的方法でひびの部分を歯ぐきの上に出すことができれば、残すことができると思います。

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4.ひびが歯ぐきの深い所まで及ぶ場合

→抜歯しなければならない可能性が高いです。

 

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5.歯根が完全に縦に割れている場合

→抜歯するしかありません。

ただし、歯の根が割れているかどうかレントゲン写真やCTの画像だけで診断できるのは稀で、最終的な診断は直接割れている場所を、必要に応じてマイクロスコープ等を使用し、目で確認するしかありません。

また、ひびの部分を除去し、歯を残すことができたとしても、歯が非常に薄くなったり、根が短くなったりして歯の寿命は短くなることも考えられます。
このように診断が難しく治療法も限られるので、きちんとした診査と診断がご希望でしたら歯内療法専門医、またはそれに準ずる歯科医師にきちんとした診断を受け最善の治療法を選択することをお勧めします。

執筆者 青山登 (PESCJ6期)