可能な場合もありますが、その判断をするためには診査診断を行うことが必要です。

 

違和感がありお困りの事と思います。
特に時間と費用をかけて治療した部分が、意に反して完全な状態でないとすれば、心配になりますよね。

根の治療には「外科的歯内療法」という、被せ物を外さないで歯ぐきの方から根の先にアプローチし、根の先を切除して根の炎症を取り除く方法があり、「手術が受けられないような全身状態 あるいは 根の長さが極端に短いなどの解剖的な制限が無い限り」処置は可能です。

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でも待って下さい! 外科的歯内療法を行う前に考えるべき事があります。

①違和感の原因が根の先の炎症ではないかもしれません。

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被せ物の調整は何度か行われましたか?
「装着したばかり」の被せ物の違和感でしたら、単に新しい
被せ物の高さや形などが感覚的に不慣れでそう感じている場合
もあります。その場合、被せ物の調整で違和感が消失する可能
性がありますので、違和感のある部分の再度の調整が可能かを
担当医にご相談してみてはかがでしょうか?

②被せ物を装着する前に根の治療を行いましたか?

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根の治療を行っていないとすれば、その理由は?

前医から説明された事項はないでしょうか?根の治療を行う必要がない、あるいは必要だが出来ない理由があった、など。

根の治療を行ったとすると、それはいつでしたか?

根の治療をごく最近行った場合や、症状が改善傾向にある場合は、直ちに再度の根の治療を行うことは避けた方が無難かもしれません。AAE(米国歯内療法学会)では、「レントゲン上に問題が認められないにも関わらず症状が存在する場合、治療後12ヶ月間は経過を観察してから再処置に移行するかどうかを判断してよい」としています。
これは、根の先の炎症が治まり、周りの組織が修復されるまでにはある程度の期間がかかるからです。痛みや膿みが出るといった症状が続いている場合は、早急に次の処置を考える必要がありますが、多少の違和感であれば治っている途中の段階の可能性もありますので、症状が改善されるか経過をみる方がよい場合もあります。

上記を考慮した上で外科的歯内療法を希望される場合は・・・ 

従来の外科的歯内療法は、成功率は5割程度といわれ、二の足を踏む歯科医師、患者様ともに多かったと想像されます。
しかし現在、外科的歯内療法に精通した歯科医師が適切な方法・材料を用いて行った場合、比較的高い成功率が報告されています。
北米で外科的歯内療法を数多く手がけ、その術式を確立してきた大学・歯内療法専門医達によると、1990年代以降「歯科用顕微鏡、超音波装置、生体親和性に優れた充填材料(MTAなど)」を取り入れた術式では、9割近い成功率が報告されていることから、国内でも同様の術式を採用している歯内療法専門医に治療を依頼するのは、ひとつの選択肢かもしれません。

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④現在の被せ物を外して、根の治療を行うことが望ましい場合も・・・

歯内療法専門医や、それに準ずる歯科医師に相談と診断を仰ぐことが必要ですが、

・根の治療の質を現状よりも高めることができる
・見逃されている根管がある
・適合の悪い被せ物が装着されている

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(症例写真:李先生提供)

上記の場合、被せ物を外して再度根の治療を行うべきと考えられます。この場合でも被
せ物を外さずに「外科的歯内療法」を行うことは可能ですが、上記の場合は特に、根の先
の炎症の原因である細菌が、被せ物の下に潜んでいる可能性が高いと考えられるため、再
発のリスクが高くなるというデータもあります。

執筆者 下田 隆史 (PESCJ5期)