去る2018年9月9日、第18回西日本歯内療法学会研修会(大阪府・大阪歯科大学創立100周年記念会館)で私と白瀬浩太郎先生(滋賀県開業)の2名で一般講演の部にて発表させていただきました。

 

 

 

 

 

  西日本歯内療法学会(学会会長:木ノ本 喜史先生)は日本歯内療法学会の協力団体であり比較的歴史も長く、歯内療法分野に特に力を入れている先生方が所属されている会でもあり、また教育機関である大学病院関係者の参加が多いのも特徴です。

そのような場をお借りして登壇することはチャレンジングかつ緊張感ある発表となります。

 

 

 

 

 

 

私の発表タイトルは

「根管洗浄の留意点とその実際」

で、このコラムでも何度か紹介しましたが、細菌除去を行うための根管洗浄の基本的事項の知識、技術と、それらをいかに安全に行うためにはどのような配慮が必要なのかということを写真・動画を交えて発表させていただきました。

 

 

 

 

 

 

参加されている先生(と歯科大学生)は歯内療法分野に力を入れている、あるいは特化している方々ですので、発表内容は既に周知されていることだと思われましたが、興味を持っていただいて聞いていただけている感じが壇上からは見てとれて、ひとまずホッとしました。

質疑応答では洗浄液の量と歯の歯髄の大きさとの関係や、洗浄液の流体力学に関するものなど、かなり洗浄トピックのなかでも細部かつ重要な部分であったため、果たして適切なお答えが出来ていれば良いのですが。質問を受けることによって、自分の知識の再確認やより多角的に物事を見ることできます。いずれにせよ今回のタイトルである根管洗浄は安全性も大切ですので、使用時の重要ポイントはこれからも何度も繰り返しお伝えしていきたいと思います。

近年は信頼できる論文を治療根拠の裏付けとする発表も多く、今回の他の一般講演からも学ぶべきことがたくさんあり、学会に定期的に参加する、とりわけ発表することの大切さを再確認しました。

特別講演は「生体親和性材料の最前線」ということで、材料学的な側面から「Bioactive Glassを含むバイオセラミックスシーラー」というタイトルで九州歯科大学口腔機能学講座口腔保存治療学分野の教授 北村 知昭 先生がご講演、臨床的な側面から「MTAを用いた歯髄・歯牙保存の最前線」というタイトルで東京都の岡口 守雄 先生がご講演されました。

 

 

 

 

 

非常に興味ある内容であり、歯内療法の分野もまだまだ材料学的な進歩によって、可能になる新たな治療法といったものも期待できるのではないか、と感じました。MTAはすでに多くの患者利益に直結する結果を出していますし、バイオセラミックスシーラーも国外では知られた存在です。

特に材料学の面においては我々臨床家には理解の極めて困難な、あるいは公開されていない物性などもあることなどからメーカー主導の導入となりがちですが、実績が伴えば患者利益とつながるものもあるはずです。我々はすぐに新製品に飛びつくようなことは致しませんが、絶えず国内外の器具・技術等に目を配り、患者利益に繋がる努力をしています。その中でも特に臨床実績を伴うものを慎重に導入していきたいと思います。

また来年にもどこかの学会等での発表の機会があればぜひ準備して臨みたいと思います。

執筆者:下田隆史PESCJ5期)