2016年4月6日~9日まで、初めて海外の学会:アメリカの歯内療法学会(AAE)に参加しました。

日本の学会と大きく異なるところは、とにかく規模が大きい!!会場数、開催期間、高名な先生の口演数、work shop数等々、まさにアメリカンサイズです。それから、やはりアメリカだなーと思ったのは、企業展示・喫茶は土日休業でした。

聴講した演題のうち、興味があったものを2つご報告します。

1つ目は、130くらいある課題文献のうち数本がファーストオーサーだったRicucci先生の口演で、タイトルは、組織像と臨床症状の相関性についてです。歯髄に近接しているような大きな虫歯があっても、歯髄の反応は正常な場合もあり、異常な場合もある。必ずしも臨床症状と組織像は合致していないことです。これは、歯髄診断の困難性が問われます。歯髄診断は、本来であれば血流の有無によって保存の可否が決定されるべきです。しかし、血流量を見ることは臨床では現在のところ不可能ですから、歯の痛みによって歯髄保存の可否が決定されます。痛みは、客観的な判断と定量化ができません。よって、歯髄診断はとても難しく、歯髄の臨床症状=組織像とはなかなかならないのです。以前来日時にお話しされていたRicucci先生の夢は、レントゲン写真のように組織像が治療中に見れるようになることだそうです。その結果、保存される歯髄はさらに多くなり、根尖性歯周炎を予防できる歯が増えるはず、とおっしゃってました。

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2つ目は、歯髄にアクセスする際、アウトラインを小さくする口演でした。アウトラインを小さくする目的は、歯質の切削量を少なくし、破折を防ぐことです。結果は、従来型と比較して、根尖部のトランスポーテーション等々は変わらず、治療時間が長くなることでした。治療時間は、従来型がおおよそ30分に対して、小さくすると約80分程度になることでした。約2.5倍程度の施術時間の延長は患者さんにとっては苦痛です。しかし、将来的に破折を防げる歯が増えるのであれば、とても有益です。

その他は、Ricucci先生に限らず、プレゼンテーションのパフォーマンスが、ずば抜けて上手いこと、スライドを駆使して、きれいにまとまっており、なおかつシンプルでした。

海外の学会に初参加した私は、このような刺激的な経験ができました。あとは、もっと英語力を磨いて、来年も参加したいです。

久原百々子